睡眠時間を確保しづらい職業
店舗で眠るのが当たりまえの飲食店店員
実は「睡眠不足になりやすい職業」があります。まず「飲食店店員」がそうです。例えば一般的な会社のサラリーマンが、仕事が終わらずに、会社のソファーなどで眠って次の日を迎えるというのはよほどの異常事態でしょう。しかし飲食店で働く人の中には、日常的にこのような生活を送る人が珍しくありません。営業時間が深夜帯まで伸びているということもあり、終電に間に合わない場合は店舗で眠るか、漫喫で眠るか、さらには始発まで駅周辺で待つしかありません。タクシーで帰ればいいじゃないかという意見もあると思いますが、金銭的な事情を考えると毎日のようにタクシーで帰宅するのは難しいでしょう。お店にいれば残務をしたり翌日の仕込みもできるため、仕事量などを考えると店舗に寝泊りをするのが効率的で、そのために常態化している人も少なくありません。当然、満足な睡眠がとれるはずもありませんので、睡眠不足が当たり前の状態です。
不規則だから寝不足になりやすい介護士
「介護士」を仕事にしている人の生活は「不規則」という特徴があります。特に有料老人ホームなどの介護施設で働いている人は、毎日決まった時間に出勤と退社をするわけにはいきません。シフト制で、様々な勤務時間に働くことになります。早出の場合は朝6時頃出勤し、お昼の3時頃に退社をします。日勤の場合は、朝9時か10時に出勤し、夜の6時か7時頃に退社します。遅出の場合はお昼の12時頃に出勤し、夜の9時頃に退社します。そして夜勤の場合は夕方4時に出勤し、翌朝に退社します。このような様々な勤務形態を組み合わせて働くため、生活リズムが狂い、睡眠のリズムも乱れてしまいます。毎日時差ぼけのような状態になるため、深い睡眠をしっかりとることができません。夜勤は大変ですが、シフトが変わるよりも夜勤を連続したほうがリズムができて楽だという介護士さんもいるほどです。
ストレスが睡眠不足を生む看護師
慢性的な睡眠不足に悩まされている職業のひとつが「看護師」です。看護師も介護士と同じようにシフト制で働くことになります。日勤、夜勤、準夜勤をローテーションして仕事をしますので、生活のリズムが整いにくく、睡眠のリズムが乱れてしまいます。看護師全体の睡眠平均時間は6.4時間前後という調査結果もあります。女性の平均睡眠時間は7.5時間程度という調査結果がありますので、看護師の睡眠時間の少なさが良く分かります。また看護師は患者の命を預かる重圧がかかる仕事です。仕事を終えた後も興奮状態が続いたり、ストレスがたまっているため、部屋に帰ってもすぐに寝付くことが難しい人も多いです。結果的に睡眠時間が短くなり、人によっては平均睡眠時間が3時間という超短時間睡眠の人もいるなど危険な状態です。